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大学共同授業(県西部7大学(計8学部)の担当講師による連続8回講義)
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一般 県民カレッジ連携講座

団塊の世代が全員75才以上の後期高齢者となる2025年以降、超少子高齢社会である日本は、今まで経験したことのないさまざまな問題に直面することが予測され、それらを見据えた社会福祉、社会保障のあり方の一つとして「地域共生社会」構築が提唱されています。もとより「共生社会」とは多義的な概念であり、障害のあるなし、大人も子どもも、国籍やジェンダーの違いに囚われず、誰もが生き生きとした社会(インクルージョン、ダイバーシティの実現)づくりを目指すものであるといえます。そこで、2025年度ふじのくに地域・大学コンソーシアム西部地域共同授業では、「2025年問題」を契機としながら、「共生」をテーマに各大学の専門家からの提言となる講義を実施し、あらためて私たちができることを学生や地域社会の皆さんと共に考える機会といたします。

 

【講義概要】

◎第1回〈第1・2講〉令和7年10月4日(土) 9:30~12:40 

◆講 師    静岡大学 情報学部 准教授 藤岡 伸明

◆講義テーマ  外国人県民の増加と多文化共生の取り組み

◆講義内容

少子高齢化が進む日本では、人口減少の影響を和らげ、地域の文化と産業を担いうる存在として外国人に期待する動きが強まりつつある。静岡県も同様であり、多様な地域・分野で外国人の受け入れを拡大し、外国人と共生するための試行錯誤を続けてきた。本講義では、その現状と課題を県内で実施された最近の調査に注目して解説する。

◎第2回〈第3・4講〉令和7年10月11日(土) 9:30~12:40

◆講 師    静岡文化芸術大学 文化政策学部 准教授 野島 那津子

◆講義テーマ  誰が、何のために「共生」するのか:「共生」をめぐる批判的考察

◆講義内容

「共生」という言葉が人口に膾炙して久しいが、もともと生物学用語であった「共生」が、なぜ望ましい社会像を示す言葉として使用されているのだろうか。またその際に、なぜ特定の人々(たとえば障害者や外国人)に言及する必要があるのだろうか。本講義では、「共生」や「共生社会」標榜の背後にある、社会経済的な状況や排除の論理について考察する。

第3回〈第5・6講〉令和7年10月18日(土) 9:30~12:40

◆講 師    静岡産業大学 経営学部 教授 岩本 武範

◆講義テーマ  ウェルビーイングな「社会サービス」のつくり方

◆講義内容

本講義では、超高齢社会における課題解決に向けて「ウェルビーイング」を基軸とした社会サービスの設計方法を学びます。2025年問題を背景に、地域共生社会の実現に必要な具体的施策を考察し、データマーケティングや政策評価の視点を取り入れながら、現実的で持続可能な社会構築の可能性を学生と共に探求します。

◎第4回〈第7・8講〉令和7年10月25日(土) 9:30~12:40

◆講 師    静岡大学 工学部 准教授 佐野 吉彦

◆講義テーマ  知識習得からはじめる人工透析への認知

◆講義内容

国内の慢性腎不全患者は35万を超えており,人工透析療法を受けている。本講義では人工透析の基本知識を身に付け,人工透析患者について理解を深めることを目的とする。講義内容は,統計に基づく慢性腎不全の原因と人工透析の仕組み・原理について解説するともに,透析導入時の流れと患者の心理状態,さらに透析導入後の食事・運動について説明する。さらに透析に関する医療制度や講師が取り組んでいる未来の透析概要についても触れていく。

◎第5回〈第9・10講〉令和7年11月8日(土) 9:30~12:40

◆講 師    静岡理工科大学 理工学部  教授 長尾 亜子

◆講義テーマ  高齢者のウェルビーイングを実現する住空間

◆講義内容

既存の住空間は「活動的な人物像」が想定されて計画され,社会に提供されている。そのような住空間は身体が弱くなっていく高齢者には暮らしにくい側面もある。では高齢者が生き生きと生活することを可能とする住空間の在り方とはどのようなものだろうか。高齢化社会における心地の良い住空間について,実例を通して考察する。

◎第6回〈第11・12講〉令和7年11月15日(土) 9:30~12:40

◆講 師    常葉大学 保健医療学部 教授 篠原 和也

◆講義テーマ  一人ひとりの暮らしと生きがいを振り返る―作業療法の理論を用いて―

◆講義内容

地域共生社会とは、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会を指します。そして、こうした地域共生社会の構築において、住民が相互に一人ひとりの暮らしや生きがいについて知り、共有し合うことが重要であると考えます。本講義では、人(皆さん)の暮らしと生きがいについて、作業療法の理論を用いて検討し、理解を深めることを目的とします。

◎第7回〈第13講〉令和7年11月29日(土) 9:30~11:00

【特別公開講座】

◆講 師    聖隷クリストファー大学 社会福祉学部長 佐藤 順子

◆講義テーマ  少子高齢社会における福祉政策の動向と課題―「地域共生社会」の構築における住民参加への期待に対する一考察―

◆講義内容

少子高齢社会の進展に伴い2015年以降新たに「地域共生社会」構築が提起されるようになり、今まで以上に住民参加が期待されている。本講義では、政策の変遷と新たな政策の趣旨、期待される住民の役割等について概説した後、市民・住民の立場で、地域生活課題解決に市民・住民が関与することの意義と方法を考察する。

◎第7回〈第14講〉令和7年11月29日(土) 11:10~12:40

【特別公開講座】

◆講 師    聖隷クリストファー大学 社会福祉学研究科長 川向 雅弘

◆講義テーマ  共生社会の実現と障害がある人への支援―「障害」をめぐる、過去・現在・これから―

◆講義内容

「障害者」は特別な存在として、これまでさまざまな社会的「例外」にさらされてきた。そもそも「障害者」とは誰のことなのか。なぜ、「障害者」という社会的なカテゴリーが必要となるのか。「障害者」が置かれた歴史と今日的課題までを概説し、連綿と続いている「障害者」を取り巻く課題を再確認しながら、障害がある人にとっての共生社会のあり方を考察する。

◎第8回<第15講>令和7年12月6日(土) 9:30~11:00

◆講 師    浜松学院大学 地域共創学部 講師 清水 友理子

◆講義テーマ  観光業における女性の労働と地域社会

◆講義内容

政府は「観光は、我が国の力強い経済を取り戻すための極めて重要な成長分野」であると位置づけ「観光先進国」の実現を目指している。他方、宿泊業・飲食サービス業は入職率・離職率ともに高く、また女性の非正規労働者によって支えられてきた産業であり、人材の安定が課題として常に指摘されている。講義では、宿泊産業で働く女性労働の実態を捉えることを通して、観光産業を支える女性労働者たちの「仕事」と彼女らの「暮らし」の関係について考える

◎第8回<第16講>令和7年12月6日(土) 11:10~12:40

◆講 師    浜松学院大学 短期大学部 教授 松澤 俊行

◆講義テーマ  「ユニバーサルスポーツ」を考える

◆講義内容

「ユニバーサルスポーツ」とは、「障害の有無に関係なく、一緒に実践できるスポーツ」と説明されます。(参考:コトバンク)この講義では、ユニバーサルスポーツの実例や指導方法について解説し、その後、各自で新たなスポーツを考案して進行や指導の様子をシミュレーションしてみます。

 

<補足ファイル>
 
 
開催日
2025年10月04日(土)
2025年10月11日(土)
2025年10月18日(土)
2025年10月25日(土)
2025年11月08日(土)
2025年11月15日(土)
2025年11月29日(土)
2025年12月06日(土)
10/4~12/6の期間中の土曜日計8回(予備日:12/13,12/20)
開催時間 昼間
午前9時30分~午後0時40分
会場 静岡文化芸術大学
静岡県浜松市中央区中央2-1-1
駐車場 無 
講師紹介 県西部7大学(計8学部)の担当講師による連続8回講義
第1回:静岡大学 情報社会学部 准教授 藤岡 伸明
第2回:静岡文化芸術大学 文化政策学部 准教授 野島 那津子
第3回:静岡産業大学 経営学部 教授 岩本 武範
第4回:静岡大学 工学部 准教授 佐野 吉彦
第5回:静岡理工科大学 理工学部 教授 長尾 亜子
第6回:常葉大学 保健医療学部 教授 篠原 和也
第7回:聖隷クリストファー大学 社会福祉学部長 佐藤 順子
    聖隷クリストファー大学 社会福祉学研究科長 川向 雅弘
第8回:浜松学院大学 地域共創学部 講師 清水 友理子
    浜松学院大学 短期大学部 教授 松澤 俊行
対象 その他:一般
高校卒業もしくは同等の学力を有すると認められる方
定員 20人程度(このほかに県西部7大学の学生100人程度が受講します。)
申込受付期間 2025年07月01日(火)~2025年08月22日(金)
定員を上回る出願があった場合には、抽選等を行う場合があります。また、窓口での出願については、土・日・祝日及び8月14日~19日を除きます。
申込方法 「共同授業出願票」を静岡大学浜松教務課共通教育係あて直接または郵送で提出。もしくはWebで申込(https://forms.office.com/r/i2m4qPnahm)
講座回数 全8回
講座分類 福祉 ,医療・生命・看護 ,社会学 ,各種スポーツ ,地域・まちづくり ,国際交流・理解 ,工学 ,科学技術 ,いくつかの分野・領域にまたがり学習する講座
費用 受講料:〇聴講生(聴講料8,000円)※授業の聴講のみとなり、単位の認定はありません。
    〇科目等履修生(履修登録料22,000円)※課題及び出席状況等による成績基準を満たせば聖隷クリストファー大学(今年度の単位認定校)の単位が取得できます。
在住制限 定員超過の場合には、浜松市・磐田市・袋井市の在住者が優先となります。
主催 ふじのくに地域・大学コンソーシアム西部地域連携事業実施委員会
備考

天候によっては臨時休講、また、感染症拡大の状況によっては対面形式からオンライン形式に切り替える場合があります。